BLOG|矯正の本音

矯正歯科に関する正しい知識や情報のご提供、医院の活動のご報告などを連載していきます。

2019.08.02

理想の笑顔について

メープル矯正歯科の山口です。

今回は「理想の笑顔」という事について考えてみたいと思います。

海外では、笑った時に口角が左右対称で半月形をしていて、上の歯が綺麗に見えてピンク色の歯茎が少しだけ見える状態を理想の笑顔=「ハリウッドスマイル」として捉えられています。上の歯の先端のラインが下唇に沿っていることもポイントで、日本では可愛いと判断されることもある八重歯も無いのが理想的と判断されています。ピシッと綺麗に並んだ歯に、憧れの気持ちを持ったことがある人も少なくないと思います。

ただ理想的な笑顔は、見た目の美しさもちろん大切ですが、患者さん自身の気持ちも大きく影響してきます。

不正咬合の程度は人それぞれで、軽度の凸凹から出っ歯や受け口など様々です。そして、その不正咬合の状態においてコンプレックスを感じる程度も個人差がとても大きく出てきます。そこまで不正咬合がひどくなくても、本人がコンプレックスに感じていると満面の笑顔を見せることが出来ません。そのため、しっかりとご自身の希望する笑顔(=ゴール)を矯正医に伝え、いろいろとコミュニケーションが取れる関係がとても大切です。


また、こうした綺麗な歯並びを手に入れるという事は、高齢になっても自分の歯でおいしく食事を摂るという事にも繋がります。しっかり食事を摂ることによって身体の健康が保たれ、さらに自分に自信が持てるといった好循環がもたらさせてきます。

厚生労働省や日本歯科医師会は、80歳まで自分の歯を20本残そうという8020運動や、4月8日を「良い歯の日」、6月4日を「歯と口の健康習慣」、11月8日を「いい歯の日」などのような健康的な歯に対する啓蒙活動を行っています。しかし実は歯の健康はご自身の身体全体の健康につながり、更には精神的な健康にもつながる可能性があります。

この様に歯並びを治療することは、見た目だけでなく、精神的にも充実した状態につながり、それが理想的な笑顔につながってくるのではないでしょうか。また自信を持った理想的な笑顔というのは、ご自身の幸福感はもちろんのこと、周りの人も明るくするような影響力があります。コンプレックスを持っていたり、笑顔に自信が持てないと悩んでいる方は、一度相談だけでもしてみることをお勧めいたします。

2019.06.27

正面の歯並びチェックポイント

今回は、患者さん自身で出来る簡単な歯並びのチェックポイントについてお話していきたいと思います。あくまでも簡単なチェックポイントなので、少しでも気になることがある時は矯正専門医へのご相談をお勧めします。

分かりやすいチェックポイントとして、歯の数、正中線、叢生(デコボコ)について詳しく説明していきます。

・歯の数について
上下の永久歯の本数は決まっており、お子さんのチェックなどを行う際には永久歯が生え揃ってから見てあげるようにしてください。永久歯の数は、真ん中の歯から左右に7本ずつ(親知らずが生えている場合は8本)生えています。生まれつき欠損で数が少ない場合や、親知らずが片方だけ生えている場合などは歯並びに影響してくる可能性がありますのでご注意ください。

・正中線について
正中線とは、顔や歯列の真ん中を縦に通るまっすぐな直線の事を指しています。噛んでいる時に、上下の一番前の前歯の間が一直線に縦に繋がっているのが正常な状態と言われています。また、その一直線に並んだ縦の線が顔の真ん中に来ているのかということも左右のバランスをチェックする上で大切なことになります。

・叢生について
叢生は、デコボコや乱ぐい歯などと言われることもありますが、とても分かりやすいチェックポイントだと思います。歯が前後に重なっていたり、回転して歯の表面が綺麗に並んでいない時は治療の対象となってきます。八重歯などもこの叢生の一種なので、しっかりとチェックしてみてください。

この様に、パッと見た様子で判断できるチェックポイントもありますので参考にしてみてください。

しかし実際は、歯根や歯槽骨の状態を把握したり、上下の歯の咬み合わせなど、見ただけではわからないことも踏まえて診断を行っています。

歯の位置が問題なのか、顎の関節や歯列の幅に問題があるのかなど、しっかりと原因を確認し、根本的な原因を解決するような治療計画を立てることが、長く綺麗な歯並びを維持するためにはとても大切なことです。セルフチェックだけでは見えない問題が隠れている可能性がありますので、ここに書いていないことでも気になることがある時はご相談されることをお勧めいたします。

2019.05.28

歯周病を放っておくと歯ならびに影響する?

今回は、一見関係なさそうに思えるかもしれませんが、歯周病と歯ならびにの関係性についてお話していきたいと思います。

ご高齢の方で、昔は歯ならびが良かったのに歳を取るにつれて悪くなってきたという相談を受けることがあります。歯ならびが悪くなってしまう原因としては、歯列のスペースや生活習慣、癖など様々な要因が考えられます。しかし、加齢に伴っていきなりこの様な要因が出てくるケースはそこまで多くありません。それよりも、歯ならびの悪化を招く要因として挙げられるのは歯周病です。

そもそも歯周病というのは、歯周ポケットと言われる歯と歯茎の間の隙間に細菌が繁殖してしまう病気です。この歯周ポケットは歯ブラシが届きにくく、磨き残しが出やすい部分になります。この磨き残しを歯周病菌が栄養源として繁殖し、プラークというバイオフィルム(細菌の塊)を形成します。このプラークを放置すると、いずれ歯石というものに変わり、非常に除去しにくくなります。そこで繁殖した歯周病菌が歯茎に炎症を起こし、歯槽骨という歯を支える土台を溶かしてしまいます。歯槽骨が溶けてしまうと、歯がグラグラ動くようになったり、最悪の場合は歯が抜けてしまうこともあります。

この様に歯周病を患ってしまうということは、歯を支えている土台が悪くなってしまうということに繋がってきます。住宅で例えると、基礎(歯槽骨)が脆くなってしまうと、建物(歯)が傾いたり倒れたりしてしまうというイメージです。また、歯が抜けるところまで歯周病が進行してしまうと、本来なら隣同士で支え合っていた歯が無くなってしまい、抜けた歯の方向へ隣の歯が倒れこんでしまうということも起こりえます。


近年では、日本人の約8割が歯周病及びその予備軍だと言われています。ご高齢の方の原因として歯周病を紹介しましたが、若いからその心配はないと思い込むのは間違いです。毎日のしっかりとしたブラッシングで磨き残しを無くし、叢生(凸凹、乱ぐい歯とも言われる)によって磨きにくいところがある方は早めにきちんとした歯列に整えてげることで、将来の歯周病にかかるリスクを減らしていくことも大切だと思います。

矯正治療中のブラッシング指導などもしっかりと行っていますので、何か気になる点がある場合はお気軽にご相談いただけたらと思います。一緒に将来の歯を守っていきましょう。

2019.05.03

Ⅰ期治療とⅡ期治療の違い

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、矯正治療においてⅠ期治療(いわゆる子供の矯正)とⅡ期治療(いわゆる大人の矯正)という言葉を使うのですが、その意味や違いについてお話していきたいと思います。

まずこの違いを説明する前に、歯の種類として乳歯と永久歯があることについて少し確認しておきます。乳歯は3歳ごろから生え始め、6歳前後で生え揃います。

その後、混合歯列期という乳歯が抜けて永久歯が生えてくるという乳歯と永久歯が両方口腔内に存在している時期に入ります。

そして12歳頃に全ての歯が永久歯に生え変わるとされています。混合歯列期では上顎の骨の成長が大きく見られ、その後永久歯に生え変わってからは下顎の骨が追いかけるようにして成長してきます。

では本題に戻りますが、永久歯が生え揃うまでの乳歯から混合歯列期に行なう骨の成長期での治療をⅠ期治療(小学校低学年頃)、骨の成長がある程度終わった永久歯列期に行なう治療のことをⅡ期治療(小学校高学年以降)と言います。

■Ⅰ期治療
Ⅰ期治療では主に、これから生えてくる永久歯がしっかりと生えるためのスペースを確保するための治療が行われます。顎の骨の成長がうまく進んでいない患者さんに対して骨の成長を促す治療を行ったり、乳歯が正常な位置ではない場所にあり、永久歯が生えてくるのを阻害している場合などはその原因を取り除く治療が考えられます。矯正装置としては、骨を広げてあげるための拡大床や、ブラケット・ワイヤーなどのものが使用されることがあります。

■Ⅱ期治療
Ⅱ期治療では、骨の成長が終わっている成人患者さんが中心になるため、拡大床などの骨の成長を促す装置を使用することが難しくなります。そのため、親知らずや小臼歯を抜歯して歯が並ぶスペースを確保したり、各歯の側面を少しずつ削ることによってスペースを確保することが考えられます。奥歯の後ろに余裕がある患者さんでは、歯列全体を後ろに移動して治療することもあります。主にブラケットやワイヤー(いわゆる針金による矯正)です。

その為、抜歯・非抜歯の基準などは患者さん毎の歯列の状態や不正咬合の具合によって違います。スペースを簡単に確保できるから全員抜歯を行なうということはありませんし、非抜歯をご希望の患者さんでも状態によっては抜歯をお勧めすることもあります。きちんと患者さん毎の検査・診断を行なった上で、メリット・デメリットをしっかりとお伝えしていますので、理解してから治療指針を決めていただけたらと思います。

この様にⅠ期治療とⅡ期治療は時期や内容が異なり、関係性があまり無いように思われるかもしれませんが、Ⅰ期治療でしっかりと治療を行っておくことによってⅡ期治療の必要性や非抜歯での治療の可能性が変わってきます。気になる点がある場合は、その時に考えられる治療やサポート方法などをしっかりとお伝えさせていただきますので、お早めに相談していただけたらと思います。

2019.04.26

交叉咬合は早めに検査を

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、交叉咬合(クロスバイト、反対に咬んでいる)というテーマでお話していきたいと思います。

交叉咬合とは、上下の歯列が正常な位置から横方向(頬の方向)にずれてしまっていることを指しています。わかりやすい目安としては、上下の正中(前歯と前歯の間)がずれてしまっていると交叉咬合になっている可能性があります。これは、本来なら上顎の歯が下顎の歯に被さって、左右対称になるはずのものが横にずれてしまっていることから起こります。そのため、程度によっては上顎の歯が下顎の内側に完全に入っていることもあります。

この交叉咬合では何が問題なのかというと、臼歯部がうまく噛み合わない事による咀嚼の弊害が起こることです。そうなってしまうと、噛みやすいところでのみ繰り返し咀嚼をするという癖がつきやすく、場合によっては交叉咬合がより悪化してしまうという可能性もあるため注意が必要です。

■交叉咬合になってしまう原因
この交叉咬合がなぜ起こってしまうのかという原因は様々ありますが、大きく分けて遺伝による問題と外的な要因によるものに分けられます。

遺伝による原因としては、歯の本数や大きさによる歯列の非対称性、顎の骨の成長具合などが考えられ、比較的小さいお子さんから見受けられることがあります。

外的要因による原因としては、頬杖や舌癖などによる同じ方向に継続的に力を掛け続けることによって、歯列がゆがんでしまうということが考えられます。また、食事で柔らかいものばかり食べていると顎の骨の成長バランスが崩れて、歯列がずれてしまうということも起こり得ます。

この様に、交叉咬合は様々な弊害をもたらす可能性があるため、お子さんの小さい時からのチェックを心掛けていただくことが有効だと思います。上下の歯の正中がずれていないか、もしずれている時は左右の臼歯で下顎が外側に出ていないかを確認してみてください。また、前歯部などで反対になってきているケースは骨の成長をコントロールする必要も考えられるため、早めの受診をお勧めいたします。その他にも、頬杖などの癖がある時は本人では気が付きにくいため、注意してあげてください。

この様に、放置すると悪化してしまう危険がある交叉咬合ですが、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(しゃくれ、反対咬合)などといった他の不正咬合と併発している時もあります。

ご自身で判断がつきにくいときなどは、将来のことも見据えて一度検査を受けてみることをお勧めいたします。その時に考えられる要因や改善方法などもしっかりとお伝えしていきたいと思います。

2019.04.03

下顎前突を放っておくリスクについて

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今日は子供の矯正治療でも比較的多くの相談を受ける下顎前突について書いてみます。

下顎前突は、反対咬合、受け口、しゃくれ、と色々な呼び方がありますが、実は、下顎の第一大臼歯(奥から2番目の歯、親知らずを入れると3番目)が上顎の第一大臼歯よりも前方にずれている症状のことを言います。正確に言うと、第一大臼歯の位置関係の問題なので、下顎前突にもかかわらず、下顎がイメージするように前に出ていないというケースもあります。

8020運動(80歳までに20本以上の歯を残す)の達成者の中に反対咬合の患者さんがいなかったという歯科大学のレポートは有名ですが、見た目だけでなく、それ以上に噛み合わせ、咀嚼の問題、消化吸収の問題など多くの健康に影響する状態であるということもわかっています。

まず、下顎前突にはいくつか原因が考えられます。

下あごが急成長した、あるいは逆に上あごがうまく成長しなかった(劣成長)など、骨の成長に関係する「骨格性下顎前突」や、下の歯が前に倒れて生えていて、食べ物を噛む度に下顎を前に押し出す力が働いてしまうことによって下顎前突になってしまうという「機能性下顎前突」があります。


小児矯正で来院される患者さんの多くは上顎劣成長が原因で、その更に原因を検査していくと、遺伝の場合、日々の癖などが挙げられます。日々の癖とは、上唇を噛む癖があったり、舌癖によって下顎を前に出してしまうなどがあります。

今日のテーマ、「下顎前突を放っておくことのリスク」について考えてみると、様々な問題につながってくるのが見えてきます。

まず、放っておくと悪化する可能性が高いのが下顎前突です。上に書いた機能性下顎前突だとイメージしやすいのですが、下あごが前に出ている状態を放っておくと、食べ物を噛む度、力を入れる為に歯に力を入れる度、下あごを上あごが押し出す力が働き、症状が悪化していきます。

下顎前突の症状が悪化すると更に健康や日々の生活に支障をきたしてしまいます。まず発音です。上下の前歯が噛み合うことがなくなり、特にサ行などがうまく発音できなくなります。

また健康にも影響が出てきます。上に書いた通り、上下の噛み合わせがないので、うまく咀嚼できません。消化吸収の1番入り口がうまく機能しないため、栄養吸収にも影響が出てきます。更に噛む度に筋肉バランスがおかしくなり、顎関節症などの発症につながてしまうリスクも出てきます。

このように放っておくと様々な別の問題につながってしまう下顎前突ですが、子どものうちに治療をすることで、症状の悪化を防ぎ、更に骨の成長を促しながら治療することで比較的患者さんの負担を少なく治療することが出来ます。

成人になってからの治療だと、場合によっては外科処置が必要になるケース(骨切り)も出てきます。

放っておくと症状が悪化し、日常生活に大きく影響を与え、健康にも関係する不正咬合なので、出来るだけ早い段階での検査をお勧めしています。

2019.03.28

裏側矯正の理由

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、「裏側矯正を選んだ理由」というテーマでお話していきたいと思います。

最近の日本では特に、裏側矯正(リンガル、舌側矯正)を見えない矯正治療として選択されるケースが増えてきています。なぜ世界と比べて日本で裏側矯正が支持されているかというと、矯正装置(ブラケットやワイヤーなど)を装着しているところを見られるのが恥ずかしいと感じる人が多いということが最大の理由ではないかと思います。

裏側矯正は表側矯正より見えにくい歯の裏側に矯正装置が付くため、特に細かい作業が必要なことがあります。日本人は良く器用な人種だと言われているように、細かい作業を得意とする専門医が多いということも理由としては挙げられるかと思います。世界舌側矯正歯科学会でもよく日本の矯正医が参加しているのを見かけますし、講演している矯正医も比較的多いように感じます。

ですが、細かい作業や専門的な技術が必要な裏側矯正は全ての矯正歯科医院で受けられるというわけではありません。症例によっては裏側矯正が難しい場合などもありますので、受けられないこともあります。

ではここで実際に裏側矯正で治療を受けている患者さんに対して、裏側矯正を選んだ理由を尋ねるアンケートがありましたので、ご紹介します。

■周りに知られないように治療したい
やはりこの理由が一番多いと思います。当院でも、裏側矯正を希望される患者さんで一番多い理由だと思います。

■食事の問題
これは見た目の問題と少し重なるところがありますが、矯正治療中はブラケットやワイヤーなどの矯正装置の隙間に食べ物が挟まってしまうことがあります。すぐにブラッシングを行なえば問題ないのですが、そのまま放置するのは見た目的にあまりよろしいものではないかと思います。そういったところで、裏側矯正なら見えないところに矯正装置が着いているので、食べ物が挟まったとしても見た目の問題としては影響が少なくて済みます。外回りの営業の方などで多い理由かもしれません。

■イベントがあるので裏側矯正を選んだ
結婚式や就職活動などという人生の大きなイベントの前に治療を検討される方は増えてきています。しかし、矯正治療は比較的長い期間矯正装置を着けて治療を行うため、イベントまでの残り時間が少ないと治療が終わらないこともあります。表側矯正だと一旦外してまた装着するなどの時間や費用面での負担もありますが、裏側矯正だと治療中でも気付かれることなくイベントを迎えられるので選択する人が多くなっています。

この様に、裏側矯正を選択するメリットというのはたくさんあるかと思います。先程も言いましたが、症例によっては裏側矯正が難しい場合などもありますので、その際には他の選択肢を提示させていただくことがあります。しかし、矯正治療は長い期間を掛けて行なうものですので、少しでも患者さまの納得がいく治療方法を選択していただけるように努力はいたします。ですので、ご希望の方は遠慮なくご相談ください。

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