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CLINIC
院長ブログ
2018.5.23
歯の生え変わり:第一大臼歯(6歳臼歯)

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今回は、第一大臼歯の生え変わりに時期についてお話していきたいと思います。第一大臼歯は、永久歯の中で一番大きな歯で、主に食べ物を噛んで潰すという役割をしています。20本の乳歯が全て生え揃った6歳前後の時期に、永久歯の中でおおよそ一番早く生えてくる歯のため、6歳臼歯という表現をしたりもします。第一大臼歯は他の歯と少し違い、乳歯の下から押し上げるように生えてくるのではなく、乳歯の一番奥にあるスペースの部分に生えてきます。永久歯の方が乳歯の歯列より大きいため、この様な生え方をします。

最初に一番大きな第一大臼歯が生えてくるということには、その後に生えてくる他の歯に対しても大切な役割を持っています。というのも、この第一大臼歯がその後に生えてくる永久歯列の基準となっているからです。

矯正治療に来るきっかけになる症状として上顎前突(出っ歯)や下顎前突(しゃくれ、受け口)が多いのですが、見た目でこの症状が無い時でも良く調べてみると第一大臼歯が上手く噛み合っておらず、後々歯列が乱れてきてしまったり顎関節に負担が掛かってしまったりということが起こりえます。

第一大臼歯をしっかりと正常な位置に生やすために必要なこととして挙げられるのが、歯磨きなどの日々のメンテナンスです。乳歯にむし歯が出来てしまい、抜歯をしないといけないという状況になってしまうと、どうしても歯列の中に抜歯をした時の歯のスペースがぽっかりと開いてしまうことになります。歯は基本的に隣の歯と支え合いながらまっすぐ生えているため、急に隣の歯が無くなってしまうとそちらに倒れてきてしまいます。そうなると他の歯も斜めに生えてしまうので、全ての歯が並ぶスペースが足りずに叢生(デコボコ、乱ぐい歯)、あるいはその逆の隙っ歯などの状態になってしまいます。

また、スペースという観点から考えると、顎の成長も大切です。柔らかいものばかり食べていると顎の筋肉や骨がなかなか発達せずに、通常のスペースがそもそも確保できていないということも起こりえます。日頃から歯応えのあるものなどを食べたり、しっかりと噛んでから飲み込むということを意識してお子さんに指導してもらうのも重要なことではないかと思います。

いずれにしても、第一大臼歯は診断の際の大切なポイントにもなりますし、これ以外のことで気になることなどがあるときは放置せずに、お気軽にお問い合わせいただけたらと思います。