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CLINIC
院長ブログ
2019.5.28
歯周病を放っておくと歯ならびに影響する?

今回は、一見関係なさそうに思えるかもしれませんが、歯周病と歯ならびにの関係性についてお話していきたいと思います。

ご高齢の方で、昔は歯ならびが良かったのに歳を取るにつれて悪くなってきたという相談を受けることがあります。歯ならびが悪くなってしまう原因としては、歯列のスペースや生活習慣、癖など様々な要因が考えられます。しかし、加齢に伴っていきなりこの様な要因が出てくるケースはそこまで多くありません。それよりも、歯ならびの悪化を招く要因として挙げられるのは歯周病です。

そもそも歯周病というのは、歯周ポケットと言われる歯と歯茎の間の隙間に細菌が繁殖してしまう病気です。この歯周ポケットは歯ブラシが届きにくく、磨き残しが出やすい部分になります。この磨き残しを歯周病菌が栄養源として繁殖し、プラークというバイオフィルム(細菌の塊)を形成します。このプラークを放置すると、いずれ歯石というものに変わり、非常に除去しにくくなります。そこで繁殖した歯周病菌が歯茎に炎症を起こし、歯槽骨という歯を支える土台を溶かしてしまいます。歯槽骨が溶けてしまうと、歯がグラグラ動くようになったり、最悪の場合は歯が抜けてしまうこともあります。

この様に歯周病を患ってしまうということは、歯を支えている土台が悪くなってしまうということに繋がってきます。住宅で例えると、基礎(歯槽骨)が脆くなってしまうと、建物(歯)が傾いたり倒れたりしてしまうというイメージです。また、歯が抜けるところまで歯周病が進行してしまうと、本来なら隣同士で支え合っていた歯が無くなってしまい、抜けた歯の方向へ隣の歯が倒れこんでしまうということも起こりえます。


近年では、日本人の約8割が歯周病及びその予備軍だと言われています。ご高齢の方の原因として歯周病を紹介しましたが、若いからその心配はないと思い込むのは間違いです。毎日のしっかりとしたブラッシングで磨き残しを無くし、叢生(凸凹、乱ぐい歯とも言われる)によって磨きにくいところがある方は早めにきちんとした歯列に整えてげることで、将来の歯周病にかかるリスクを減らしていくことも大切だと思います。

矯正治療中のブラッシング指導などもしっかりと行っていますので、何か気になる点がある場合はお気軽にご相談いただけたらと思います。一緒に将来の歯を守っていきましょう。