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CLINIC
院長ブログ
2020.2.19
妊娠の際の注意点

今回は一見無関係に思われるかもしれませんが、妊娠と矯正治療の関係性についてお話していきたいと思います。

今これを読んでくださっている方の中にも、以前矯正治療を検討していたが、結婚・妊娠を機に治療をあきらめたという方もおられるのではないかと思います。では実際、妊娠すると矯正治療を行うことは難しくなるのでしょうか?答えから言いますと、「No」です。妊娠してから治療を始める方は体調的に少ないかもしれませんが、矯正治療は長い治療期間を要することがありますので、治療中に妊娠するという患者さんは少なからずおられます。そういった方に治療中断していただくなどの負担はほとんどありませんので、安心していただけたらと思います。しかし、矯正治療に限定した話でもない点もありますが、妊娠中の治療には注意していただきたい点がいくつかあります。

■麻酔や薬の使用について
矯正治療の途中で麻酔を使用することは少ないですが、場合によっては抜歯したりする時に麻酔を使用することがあります。局所麻酔のため大きな影響は出にくいと考えられますが、念のため安定期に入ってから治療を行うといったタイミングを検討する必要はあります。また、薬の使用に関しても全員が必要というわけではありませんが、治療開始時やワイヤーを交換するタイミングで少し痛みを感じる方もおられます。最近では、弱い力を継続的にかけられる矯正器具(ブラケットやワイヤー)もありますので、そういったものの使用などで極力薬の使用は控えていただくことをお勧めいたします。

■虫歯の治療について
こちらも麻酔の話につながるかもしれませんが、妊娠中の麻酔を使用する虫歯治療は難しくなります。妊娠中はただでさえホルモンバランスなどの影響で虫歯になりやすくなっておりますので、ブラケットなどの矯正器具の隙間はかなり注意してブラッシングしていただくようにお願いしています。

■CT、レントゲンの使用について
CTやレントゲンを撮影する際、低量ではありますが放射線被ばくが起こります。歯科で使用するものは日本産婦人科学会でも被ばく量としては問題ないと言われていますが、無いに越したことはありませんので、可能であれば妊娠前に検査などは済ませておいていただくことをお勧めいたします。

結婚や妊娠など、女性の方は思わぬところで人生の転機が訪れるかと思います。今現在治療中の方も、これから矯正治療を検討されている方も、そういった患者さん自身のライフワークを最大限考慮した治療を心がけていますので、不安なことなどがある場合はいつでもご相談ください。