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院長ブログ
2016.9.8
不正咬合と歯磨き

こんにちは。

メープル矯正歯科の山口です。

今日は不正咬合と歯磨きについて書いていきたいと思います。

不正咬合の種類はこれまで書いてきた通り様々あり、またそれぞれの原因も多種になります。例えば上顎前突(出っ歯)一つとってみても上顎前歯の先端(切端)が唇側(外側)に倒れこんでいるものや、下顎の劣成長のものなど色々あります。原因は舌癖によるものから遺伝によるもの、噛み癖からくるものなどあります。下顎前突(受け口、反対咬合)に関しても同じように遺伝や骨のバランスによるものなど様々です。

ではそういった不正咬合にそもそもならないために気を付けることはどういったものがあるのでしょう。遺伝など先天的なものは回避出来ない場合もありますが、後天的なものは日々の習慣の中である程度抑えることが出来るものもあります。

その代表例が上にも書きました舌癖ではないでしょうか。本来の舌の位置に来るように、舌のトレーニングをすることで必要以上に歯列が外側に出ることを回避することが出来ます。また舌の筋肉が正常になることで、歯が内側に倒れ込んでくるのを抑えることにもつながります。この舌トレーニングは矯正専門医でよくやっていて、矯正治療後の後戻りをある程度抑えることにもつなげています。

では歯科医院に行かずに誰にでも出来ることは何かというと、やはり丁寧な歯磨きではないでしょうか。歯磨きと歯並びは一見関係ないように思えます。しかし実は長い目で見ると影響が出てきます。

もし歯磨きをおろそかにして虫歯(齲蝕)になったとします。虫歯はやがて歯周病などもっと大きなトラブルへとつながり、最終的に抜歯につながってしまいます。歯が抜けてスペースが出来ると隣接歯はそのスペースに倒れ込んでしまいます。歯が抜けたスペース自体見た目に問題ですが、横の歯まで巻き込んでしまうということも実はあるのです。またブラックトライアングルについても書いたことがありますが、磨き残しから歯肉の後退が進み、ブラックトライアングルが目立ってしまうということがあります。これは現在歯並びが綺麗な方にも当てはまることで、意外に知られていないことかもしれません。

また抜歯までいかなかったとしても、例えば奥歯に歯周病が出来たり、重度の虫歯が生まれてしまうと咀嚼(食べ物を噛む)する際に奥歯の機能を前歯でカバーしようとしてしまいます。奥歯は本来食べ物をすり潰す機能を持っています。これを前歯で行おうとすると、水平方向に必要以上に顎を動かし、顎関節に問題を生じてしまう可能性があります。また強く噛みすぎることから段々と前歯が外側に倒れて上顎前突の原因になる可能性もあります。

いかがでしょうか。意外に歯磨きが歯並びへ影響を与えることがお分かりいただけたかと思います。ただ今回は脅かすつもりで書いているわけではありません。本来矯正治療は長く自分の歯を健康に保つということも大きな目的の一つです。歯並びを治すことで歯磨きがしやすくなり、虫歯になりにくくなったということも良く聞きますが、矯正治療以前に日々の歯磨きをすることは、子供、成人関係なく大切なことです。一人でも多くの方が健康な歯を保ち、毎日の食事を楽しめるようになればと思っています。