(C) 2020 M.O.C.
CLINIC
院長ブログ
2016.10.29
顎間ゴム(エラスティック)

こんにちは。
メープル矯正歯科の山口です。

今日は多種多様の矯正材料の中でも「顎間ゴム(エラスティック)」についてご紹介したいと思います。

矯正材料には様々な種類があり、多くの場合歯に直接つけるブラケットとワイヤーをイメージされるのではないでしょうか。

ブラケットは矯正治療中の見た目に関して直接影響を与えるため、白や透明のブラケットでの治療、あるいは全く見えない裏側矯正(舌側、リンガル)のような装置に注目されるのではないかと思います。更に最近はマウスピース矯正(インビザラインなど)も普及してきているので、実際歯を動かす装置イコール矯正装置というイメージが強くなってきています。

矯正装置は上顎前突(出っ歯)、下顎前突(反対咬合、受け口)など症例に合わせて使う装置もあり、中にはヘッドギアなどを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。矯正装置は大きく二つに分けることが出来ます。一つはブラケットのように一度つけたら患者さんの意思で取り外しをしないもの。そしてもう一つは患者さん自身が取り外しをするものです。ヘッドギアは患者さん自身が取り外しをするものに分類されます。

その患者さん自身が取り外しする装置の中で、今日ご紹介する顎間ゴム(エラスティック)というものは、多くの患者さんが関わる可能性の高いものの一つです。

言葉の通り、顎と顎の間のゴムということなのですが、上顎と下顎の間に小さな輪ゴムを掛けて噛み合せを改善するものです。ワイヤー、もしくはブラケットにフックと呼ばれる小さな突起があり、そこにゴムを掛けることで治療します。顎の前後のズレを治したり、抜歯空隙(隙間)を閉じるためにコントロールしたり、ゴムの強さと大きさに様々な種類があり、症状に合わせて矯正専門医が選択し、患者さんにつけてもらうものです。

この顎間ゴム(エラスティック)のような患者さん自身が取り外しするものは、実はとても大切で、ゴムの強さや掛ける位置もすべて計算されています。そのため、「今日は付けないで寝ちゃおう」といって、使わないことがあると、その分歯と顎の動きが遅くなり、矯正治療全般に悪影響となり、治療期間が長くなってしまいます。

比較的成人の患者さんの場合だと、顎間ゴム(エラスティック)をちゃんと計画通り使用されることが多いのですが、小児矯正の場合だと親御さんがしっかりと使用確認をする必要があります。実際とても小さなゴムなので、数日使わなくても問題なさそうに見えますが、毎日の習慣が治療に大きく影響するため、必ず使用するようにしましょう。もちろんマウスピース矯正にも同じことが言えます。

今回、顎間ゴム(エラスティック)について書きましたが、お伝えしたいことはしっかりと矯正装置を使用しましょうということだけでなく、少しでも早く計画通りに矯正治療を終えていけるように情報発信していきたいと思うからです。歯列矯正治療は一瞬で終わる治療ではありません。患者さん、ご家族の方、そして矯正専門医とスタッフ、みんなで協力しながら最大限の治療効果を短い期間で手に入れていきたいと日々考えています。