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院長ブログ
2021.8.12
顎変形症について

メープル矯正歯科の山口です。

今回は、顎変形症についてお話していきたいと思います。

顎変形症とは、上顎もしくは下顎が上下・左右・前後方向に変形してしまうという症状で、上下の歯がしっかりと噛めない状態になっています。そのため、食事などで物を食べることや発音がしにくいといった機能的な問題や、見た目の審美的な問題、変な噛み癖による顎の痛みといった身体的問題が起こり得ます。様々なタイプがありますので、もう少し詳しく書いてみます。

■オープンバイト(開咬)
上下の歯を噛みしめたときに、上下の前歯の間に隙間が出来ている状態のことを指します。本来物を噛みきる役目がある前歯が機能しなくなりますので、食事などで弊害が出てきます。また、口腔内が乾燥しやすくなりますので、虫歯や風邪などの感染症リスクも高くなると言われています。

■ディープバイト(過蓋咬合)
オープンバイトとは反対に、上の歯が下の歯に大きく被さってしまう状態のことを指しています。このケースでは前歯同士が強く当たっていることが多いため、過度な力による歯の悪影響が心配されます。

■上顎前突(出っ歯)
上の顎が前方に突出することによって、前歯が出てしまっているという状態です。上顎前突は、顎の位置は正常でも歯が倒れてしまう事によって起こるケースなどもあるため、上顎前突は顎や臼歯の位置など複合的に判断しています。

■下顎前突(しゃくれ、受け口)
上顎前突とは反対に、舌の顎が前方に突出することによって引き起こされます。発音や見た目など様々な問題が生じる可能性があります。

■その他のズレ
上記以外にも、横方向や斜め方向など水平だけでなく様々な方向にズレてしまっているケースも見受けられます。顔が真ん中のラインで左右非対称になっているなど見た目でわかるケースもあります。

この様に、単純に顎の位置がズレていると言っても、様々な方向へのズレが複合的に起こっていることもあります。ズレた状態で放置してしまうと、噛みやすい方の歯ばかりで物を噛んでしまう癖がつきやすくなり、症状がより一層悪化してしまうこともあります。

原因が歯並びによるものなのか、顎の位置によるものなのかなど、なかなか判断が難しいこともあるかと思いますので、食べ物を食べにくい、発音がしにくい、見た目の非対称が気になるなど、何か気になることがある場合はご相談いただけたらと思います。可能な治療の種類などご案内し、治療を受けるかどうかはそれから判断していただいても遅くないのではないかと思います。